親の介護で「人生終わった」と感じたら|現場18年目の私が見てきたメンタルを守るポイント

老人ホームの面会頻度に正解はある?「家族が来ない」裏側を18年目介護施設職員が話します(晴れと家)
  • 親の介護が始まってから毎日がつらい
  • 体も心も疲れてメンタルがやられそう
  • 親の介護なのに兄弟が手伝ってくれない

親の介護がはじまると、インターネットで介護について調べたくなりますよね。いざ調べてみると、ネット上には「親の介護 メンタルやられる」「人生終わった」という候補がズラリ。なんだか見ているだけで、少し息苦しい気持ちになりませんか?

私は病院と介護施設で18年働く管理栄養士です。数えきれないご家族の入所面談に同席してきました。

そんな私の結論を先にお伝えさせてください。「メンタルがやられるのは、あなたが弱いからではありません。介護の辛さは、プロに任せて分け合えます

この記事では、実際に私が見てきた「ご家族の肩の荷がすっと下りる瞬間」や、限界まで頑張った方ほど、そのあとどうなっていくかをお伝えします。

読み終わるころには「預けてもいいんだ」と、少しだけ息が吸いやすくなっているはずです。

目次

親の介護でメンタルがやられるのは当然のこと

親の介護で「人生終わった」と感じたら|現場18年目の私が見てきたメンタルを守るポイント
今まで言えなかった想いがポロポロとこぼれていく

「とにかく大変だった」「わがままを言うようになって、辛かった」

面談の場でご家族から伺うのは、そんな言葉です。多くの方が、誰かを責めるより先に疲れ切っています。なぜそこまで心が削れてしまうのか。

まずはその仕組みからお話しします。

介護には終わりも休みもない

子育てには卒業式がありますが、介護には「ここまで」の線がありません。

いつまで続くかわからない。
夜も休めずに、しっかり眠れてない。
どれだけ頑張っても、誰もほめてくれない。

それどころか、頑張れば頑張るほど「やって当たり前」になっていく。

終わりが見えない仕事を、休みなしで、たった1人で続ける。
これで心が削れないほうが、不思議ですよね。

さくら

心が削れていくのは、介護という状況の問題。あなたの性格や愛情の問題ではありません。

こんな心当たりはありませんか?

面談やご相談の場で、ご家族から実際に伺ってきた声を並べました。

  • いつも何かに追われている。
  • 一生懸命つくった食事を、食べてもらえない
  • 同じ話を今日も聞きながら、相づちが適当になる
  • 無関心な兄弟に、恨みに近い気持ちが湧く
  • ニュースで見る介護の事件が、他人事に思えない

ひとつでも当てはまったら、あなたの心や体はすでに長期間休みなく働いています。

さくら

全部当てはまった方はいらっしゃいますか?よくここまで、お1人でやってこられました。

ここまで頑張った人が、大切な人を施設に預けるとどうなっていくのか?次の章では、私が面談室で見てきた光景をお話しします。

入所面談で私が見てきた家族の「肩の荷が下りる瞬間」

親の介護で「人生終わった」と感じたら|現場18年目の私が見てきたメンタルを守るポイント
話していくうちに、少しずつ笑顔が見えてくると私もうれしいんです

ここからは、施設の中の人間にしかわからない光景の話です。入所面談は書類だらけの手続きの場に見えますが、実は、ご家族の心がいちばん大きく動く場所だと私は思っています。

「好きな食べ物」を聞かれて、表情がゆるむご家族

入所前の面談で、私は必ずこう伺います。

さくら

体調が悪い日でも、これなら食べられるものはありますか?

ある施設での面談で、娘さんがこの質問に「そういえば……おにぎりなら食べるんです、昔から」と答えながら、ふっと笑ったのを覚えています。

ここ数ヶ月「食べさせなきゃ」の一心でご飯と向き合ってきた方が、お母さんの好きなものを思い出した瞬間でした。高齢者の方に向けた食事は、元気な大人が食べる食事とは違い手間がかかります。日頃のストレスも重なり、好きな食べ物を楽しむ余裕を失いがちです。

さくら

入所後は、好きな食べ物を差し入れして一緒に楽しむ余裕が戻ってきますよ!(差し入れの可否は施設の規則によります)

限界まで頑張った家族ほど面会しない

限界まで頑張り切ってから入所を決めたご家族は、入所後に面会に来る力が残っていないときがあります。

入所した途端、ぱたりと面会が途絶える。

冷たいからでは、ありません。心のガソリンを使い果たしてから預けたので、会いに来るパワーが残っていないのです。逆に、心に少し力が残っているうちに預けたご家族は、よく面会にいらっしゃいます。おやつを持って、世間話をして、笑って帰っていく。

在宅で最後まで粘っていたころより、親子で笑っている時間はむしろ増えているかもしれません。

もし「私はもう使い果たしたかもしれない」と思った方も、ご自分を責めないでくださいね。預けて、眠って、回復すれば、面会にはまた行けます。元の親子関係にゆっくり戻っていきます。

さくら

面会が途絶えたご家族を、施設側は誰も責めていませんよ。それだけ頑張った方なんだって、ちゃんとわかっていますから

「面会にあまり行けないかも……」と気になってる方は、こちらの記事を一度読んでみてくださいね。

では、「人生終わった」とまで感じている方は、どうすれば心が軽くなるのか。次の章で、3つだけお話しします。

介護で「人生終わった」と感じたあなたに伝えたい3つの話

屋上散歩はお互いに癒しの時間なんですよ〜

最後に、面談室でご家族にお伝えしてきた話の中から、3つだけご紹介します。今日なにかを決める必要はありません。読むだけで大丈夫ですよ。

①介護は「全部自分で」「丸投げ」の2択ではない

「施設に預ける=介護を投げ出す」と感じる方ほど、頭の中が2択になっています。でも実際の介護は、0か100かではありません。まずは1つずつ、肩の荷をおろしてみてはいかがでしょうか?

  • 今のしんどさを、誰かに話してみる
  • お住まいの地域の相談窓口に電話してみる
  • 施設の資料を取り寄せて眺めてみる

このうちのどれか1つでも、肩の荷は軽くなります。

相談窓口なら

介護の悩みを丸ごと相談できる公的窓口として、全国の市区町村に「地域包括支援センター」があります。現状を専門家にお話して、なにが必要な段階なのかを相談してみましょう。

厚生労働省「地域包括支援センター」

②施設に預ける=親を捨てるではない

在宅の介護は、あなたが1人で24時間背負ってきましたよね。施設では、介護士・看護師・管理栄養士・厨房スタッフ・リハビリスタッフなど多職種が、みんなで支え合います。

施設に預ける=見捨てる、ではありません。もう一度「娘」や「息子」に戻る前向きな選択肢です。

▼「それでも預けるのは親不孝じゃないかなぁ」と胸が痛む方は、先にこちらを読んでみてください。

③あなたの人生を大切にしてほしい

若いころの親御さんを思い出して、切なくなる夜があると思います。

親御さん自身、こうなりたくてなったわけではない。悪いのはあなたでも親御さんでもなく「老い」という、誰にも止められない状況です。

そして思い出してほしいのは、元気だったころの親御さんが、あなたの幸せを願う人だったという事実です。

さくら

施設で暮らす利用者さんたちは、ご家族のことを本当にうれしそうに、すこし誇らしそうに話されるんですよ〜!

「あなたが元気でいるのが一番の親孝行」

現場にいると、その言い古された言葉はやっぱり本当のことなんだなって思えます。

まとめ|あなたはもう肩の荷をおろしても大丈夫

親の介護で「人生終わった」と感じたら|現場18年目の私が見てきたメンタルを守るポイント
雪を見に行くときもあります(数分限定のお楽しみ♡)

人生終わった」と検索したあなたに、現場を見てきた私からお伝えしますね。

あなたの人生は、まだ終わっていません。
あなたの人生も、親御さんと笑い合う時間も、ここから取り戻せます。

ここから先は、私たちプロを頼るのもひとつの手段。
あなたと大切な人の心を晴れにする「家」、一緒に探しましょう。

さくら

今日は早めに休んでくださいね。それも立派な、介護の続け方です。

▼少し心が動いたら、最初の一歩は「知るだけ」で大丈夫。施設見学で見るポイントをまとめています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

9年の病院勤務を経て、現在は介護施設で管理栄養士として勤務中。
18年間お年寄りとご家族に寄り添ってきた、管理栄養士だからこそ気づける「食事の視点」から、あなたと大切なご両親の安心できる施設選びを、一緒に考えていきます。

コメント

コメントする

目次